海がないのに海のつく地名

JR小海線は、長野県小諸駅と山梨県小渕沢駅の78.9キロメートルを結ぶ路線で、八ヶ岳高原線の愛称がつけられています。

JR線でもっとも標高の高い駅「野辺山」(標高1375メートル)を通り、海に接していない県である長野県と山梨県の山の中を走っているのに小海線という名称で、しかも駅名も「佐久海ノ口」「海尻」「小梅」「海瀬」など「海」にちなんだ名前が多いです。

これらの駅名は、地名に由来します。

大昔は八ヶ岳の噴火が盛んで、小海線沿線付近には八ヶ岳の噴火によってできた湖がたくさんあります。

「海」という言葉は古くはいわゆる海だけではなく湖をも表わしていたそうで、「小海」にもかつては湖があったことから、その名前がつけられたと考えられます。

むかしの人びとには、大きな湖は海に近い広さに感じられたのでしょう。

また、887年あるいは888年に起きたとされる八ヶ岳噴火で、深山で千曲川が堰き止められて大きな湖ができたそうです。

その後、湖は決壊し湖底が露出して平地となり、やがて「海ノ口」「海尻」の村ができたのだといいます。

かつては湖の底にあった一帯にできた「海ノ口」「海尻」は、江戸時代には街道が整備されたことによって宿場となっていたようです。